大谷選手と「知」の共有

今回のWBCはベネズエラが日本、アメリカを破って優勝しました。日本も残念でしたね。ベネズエラ戦の敗因はパワーの差とかリリーフ陣の出来とかいろいろ言われていますが、野球には運がつきものです。2次ラウンドに進出したチームは実力が拮抗していますし、一回負けたら終わりのトーナメント形式、運・不運の要素も大きいと思います。
私は1次ラウンドの台湾戦を観ることができたのですか、大谷選手の満塁ホームランを含めて、心躍る試合でした。
また3年後(たぶん)を楽しみにしましょう。3年後というと大谷選手も34歳、まだまだでしょう。
WBCという特別な舞台では大谷翔平選手の存在の大きさを強く感じました。もちろんリーダーとしては井端監督はじめコーチ陣、アドバイザーとしてのダルビッシュ選手も参加しましたが、選手、そして私たち観衆の視線はいつも大谷選手に向けられていたように思います。カリスマ性――人を惹きつけ、ついていきたいと思わせる影響力、と言っていいのでしょうか。まさに彼はチームの方向性への影響力を持った存在でした。
組織では「属人化」には弊害があるとよく言われます。属人化とカリスマ性では意味は違いますが、特定の個人に依存しすぎる組織はリスクが高いことは事実です。日本チームは大谷選手の強力な影響力が良きにつけ、悪しきにつけ作用した面もあったようです。若い選手たちが、「大谷様」に緊張して話せない雰囲気になっていたとき、鈴木誠也選手が「同じ人間なんだよ」と言って和ませたいうエピソードは有名ですよね。
企業組織では「属人化」のリスクを回避するために、業務の標準化やマニュアル整備(形式知)が重要であることは言うまでもありません。しかし、実際の業務ではマニュアルで対応できない「言語化しにくく」「経験によって蓄積され」「個人に依存」した知識でしか対応できない状況もあるのが事実です。このような経験・個人に依存する知を暗黙知と呼びます。
形式知(意味記憶)は、マニュアル・手順書の作成、フォーマット統一や研修会など伝えることができます。ところが暗黙知は厄介です。言語化しにくく経験によって得られる知ですから、OJTや共同作業、失敗談やトラブル対応などをストーリーとして言語化して伝えること、「なぜそう判断したか」を説明させるなどの言語化の試みを通して伝承していくしかないと言われています。言語化することによって暗黙知と形式知の橋渡しの可能性があるともされています。
重要なのは「属人化を排除すること」ではなく、特定の個人が持つ暗黙知を、「共同作業+言語化」によって共有することだと言えます。
野球の技術は暗黙知(≒手続き記憶)の塊でしょう。「150キロの投げ方」とか「3割を打つ打撃マニュアル」「誰でもできる盗塁技術」などのマニュアルはありませんし(たぶん)、あったところでそれを読んで野球技術を習得できるわけはありません。ですから選手たちはコーチとともに練習に励み、技術を身につけていくのでしょう。
暗黙知の延長上には「迷ったときにあの人ならどう判断するか」「この会社は何を大切にしているのか」「トップはどう考えるのか」などを客観的に自問自答する内省があります。形式知、暗黙知に加えて、これができれば様々な状況での対応の自律性を高めることができるはずです。
組織の中にある知識(ナレッジ:形式知・暗黙知)を集め・共有し・活用し・成果につなげる仕組みをナレッジマネージメントと言います。
基本の流れは4ステップです。
①収集(ノウハウ・事例・失敗例)
②整理(構造化・分類)
③共有(DB化・勉強会・レビュー)
④ 活用(実務に適用)
ナレッジマネージメントを実際に進めていく上では、組織・業務全体を見渡し、ナレッジを吸い上げ、整理し、共有するよう仕向けていく影響力とリーダーシップを持つ人材が必要です。皆様の組織の「大谷さん」の出番となります。
バラスト社会保険労務士法人では、単なる制度整備にとどまらず、形式知、暗黙知を業務に活かす仕組みづくりにもできる限りご協力致します。「迷ったときに立ち帰れる知」を組織の中に根付かせることが、強い組織づくりにつながると考えています。東京都杉並区荻窪を拠点に、チームワークを大切にしながら企業の成長を支えています。人材育成や組織づくりにお悩みの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
杉並区荻窪・千葉県流山市を拠点に企業の成長を支える労務パートナーとして、貴社をサポート致します!


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執筆
松下 丘
日本大学文理学部卒業 金融機関でライフプランの相談を通じた個人向け保険営業に従事。公的な保険について興味を持ち、社会保険労務士に。2020年バラスト社会保険労務士法人(旧:恵社労士事務所)入社。就業規則作成や労働時間制度(フレックスタイム制、裁量労働制、高度プロフェッショナル制度等)の相談と導入を数多く対応している。誠実で穏やかな対応に定評がある。野球好き。



