社労士の価値をはいったい何だろう

社会保険労務士の市川と申します。

社会保険労務士法人恵社労士事務所という社労士事務所の代表をしております。

社会保険労務士となって、「社労士とは何ですか?何してくれる人?」と聞かれるたびに、「人事や労務の専門家ですよ」とお答えしていたのですが、「社労士の価値」っていったい何だろうと、ずっと考えていました。

社労士はその名の通り、社会保険と労務の専門家です。業務は多岐にわたりますが、私はずっと、労務の専門家として、中小企業の経営者の方や、人事の方の業務のサポートをしています。

具体的には、日常の労務相談に乗ったり、就業規則を作ったり、雇用契約書を作ったり・・・その業務を通じて、会社がどのように社員に動いてもらいたいのかをまとめたり、コンプライアンスや世の中の流れの観点から、助言させていただいたりしています。

また、人事労務業務・・・社会保険手続や給与計算のアウトソーシングもやっています。
ちなみに、社会保険の手続きは社労士の独占業務です。入退社や扶養異動、育児休業、介護休業、雇用関係の助成金の申請等のアウトソーシングは、社労士でなければできません。

ただ、こういったサービスを提供した先に、どんな価値があるのか。お役には立ててるけど、何を理想としているのか。

そういうことを考えたとき、一つのキーワードが浮かびました。

「安定」 です。

船が水の上を進むには、安定していなければなりません。ただ流されているだけではいけません。自由に大海原を動くには、まず船が「安定」していなければならない。

会社は船、市場は海にたとえられます。組織を船と例えるのは、経営者であれば、しっくりくる感覚があると思います。

バラストとは何か?

「バラスト」とは、船などの乗り物を安定させるために積む荷のことです。

船を安定させるために船倉に入れる水。

気球に下がっている砂袋。

電車の線路に敷かれている砂利。

組織が乗り物だとしたら、まずは自由に動けるために安定させなければなりません。

そしてできれば、乗っている人たちが乗り心地良く、気に入ってくれる乗り物でありたいですよね。

外から見て、カッコいい!と思われるのも非常に重要だと思います。

自由な動きも、乗り心地も、堂々としたカッコよさも、「安定」がなければできません。

私たちは、「組織のバラスト」。 そんな社労士事務所でありたいと思います。

その先

組織のバラストは本当に必要なのか。

組織が大きくなれば大きくなるほど、必ず必要になると思います。

一人でやっているときは、あまり必要ないかもしれません。二人なら、二人コミュニケーションをとって息を合わせれば必要を感じないかもしれません。

人数が増えるにしたがって、息を合わせることが段々難しくなってきます。そこで、まず必要になるのが、「その組織の外で当たり前な事が当たり前にできているか」という事です。

例えば、

  • 社会保険や雇用保険は間違えずに加入しているか。
  • 保険料の金額は正しいか。
  • 給与は毎月正しく計算されて、毎月決まった日に入金されているか。
  • 労働条件は通知されているか。有給休暇は取得できるか。

などなど・・・

一人では気にする必要もなかったことが、いろいろ発生してきます。それを無視していたらどうなるか?

あるとき何かトラブルが起きるかもしれません。
従業員の足並みそろわなくなり、組織が動かなくなるかもしれません。

やることやって安定していれば、その分重くなるかもしれませんが、自由に動けるようになると、思います。

たまに、労基法などを、経営の足かせのようにとらえている方がいらっしゃいますが、足かせではなく、バラストだと思っていただければなと思います。

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