振替休日と代休は、実は大きく意味が異なり理解しておくことが重要です。

今回は、違いについて解説します。

まずは定義からご説明させていただきます。

振替休日とは?

あらかじめ休日と定められていた日を労働日とし、その代わりに労働日を休日とすることを言います。これにより、あらかじめ休日と定められた日が労働日となり、その代りとして振り替えられた日が休日となります。従って、もともとの休日に労働させた日については休日労働とはならず、休日労働に対する割増賃金の支払義務も発生しません。

代休とは?

休日労働が行われた場合に、その代わりとして以後の特定の労働日を休みとするものです。前もって休日を振り替えたことにはならず、休日労働をした事実は変わりないので、休日労働分の割増賃金を支払う必要があります。代休の給与計算をした例をお伝えします。


例➀)

土曜日に出勤し、火曜日に代休をとった場合

1日の賃金:10,000円 法定休日:土曜日

土曜日に休日割増(35%)がかかります。

火曜日は休んだので、控除されます。

給与計算上

土曜日:+13,500円

火曜日:-10,000円

————————–

+3,500円


 このような場合、代休は割増賃金が必要になりますので、振替休日がおススメです。

振替休日に注意が必要になるのが、月(給与計算期間)をまたいで振替休日を取得した場合です。月をまたいで振替休日を取得した場合の給与計算をした例をお伝えします。


例②)

1月の土曜日に出勤し、2月の火曜日に振替休日をとる予定の場合

1日の賃金:10,000円 法定休日:土曜日

 

1月の土曜日は振替休日なので、休日割増(35%)はかかりません。

ですが、2月の火曜日に必ず振替休日が取得できるとは限りません。

取得できなかった場合を考えると、未払いが発生する可能性があるので、給与計算上、下記のようにする必要があると考えます。

給与計算上

1月の勤怠の給与計算

土曜日に振替出勤した分:+10,000円

2月の勤怠の給与計算 

火曜日振替休日した分 :-10,000円

———————————————–

0円


結果としてプラスマイナス0にはなりますが、1月の勤怠に基づく給与計算では支給が10,000円多くなり、2月の勤怠の支給額が10,000円少なくなります。月をまたいで振替休日を取得することは可能ではありますが、月をまたぐと、勤怠データの確認や未払い防止のために追加の確認作業が発生します。、未払いリスク、管理が煩雑になるので、おススメはできないです。

また、週をまたいで振替休日を取得した場合も注意が必要です。

労基法では、週40時間以上労働した場合、時間外割増(25%)の割増賃金を支払わなくてはなりません。ですので、振替休日を取得した場合であっても、下記の例では、1週目は8時間分、時間外割増(25%)の割増賃金を支払わなくてはなりません。

給与計算をした例をお伝えします。


例③)

1週目の土曜日に出勤し、2週目の火曜日に振替休日をとった場合

1日の賃金:10,000円

1週目の土曜日に時間外割増(25%)がかかります。

2週目の火曜日は休んだので、控除されます。

給与計算上

土曜日:+12,500円

火曜日:-10,000円

————————–

+2,500円

合計
1週目8時間
振替出勤
休日8時間8時間8時間8時間8時間48時間
2週目休日休日8時間振替休日8時間8時間8時間32時間

週をまたいで振替休日を取得すると割増賃金が必要になる可能性がありますので、こちらもおススメはできないです。振替休日の取得はその月、その週がベストです。

振替休日や代休の管理は、知識が必要になります。バラスト社会保険労務士法人では、労務管理の疑問を専門家が丁寧にサポートします。ぜひお任せください。

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