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「手取りが増える退職金制度⁉」企業型DCの“裏ワザ”?を解説(3/4)

確定拠出年金

企業型確定拠出年金(DC)を導入した企業の中には、「マッチング拠出」や「選択制確定拠出年金」という言葉を耳にしたことがある方も多いのでは?今回は企業型DCの3回目として、その違いと節税や社会保険料削減の仕組みを解説します。

確定拠出年金

企業型DCとは?制度について詳しくなろう!(2/4)      

1.はじめに

 退職金制度の中でも、特に仕組みが複雑に感じられる「企業型確定拠出年金(DC)」。前回は企業型DCの基本についてご紹介しましたが、今回はもう一歩踏み込んで、導入企業が特に気にする「節税」や「手取り増加」の観点から解説します。

実はこの企業型DCには、“社会保険料や税金を抑えられる活用法”があります。それが、

  • マッチング拠出
  • 選択制確定拠出年金

の2つです。制度の成り立ちや法律上の位置づけは全く異なる別物です。この違いを正しく理解しておくことが、企業にも従業員にも大きなメリットにつながります。


2.マッチング拠出:会社と従業員が“マッチ”して拠出する仕組み

マッチング拠出は、企業型DCの中でも法律に明確な根拠がある制度です。

会社が毎月、社員のために掛金を拠出している企業型DC(例:月1万円)に対し、従業員自身も同額またはそれ以下の掛金を、給与から追加拠出できるという仕組みになっています。追加拠出分は給与から控除されますが、その全額が所得控除の対象となるため、年末調整で節税効果を得られるのが大きな特徴です。

たとえば、従業員が月5,000円を拠出した場合、年間では6万円が所得控除の対象になります。扶養控除1人分(38万円)ほどには届かないものの、無視できない節税メリットと言えるでしょう。


3.選択制確定拠出年金:給料を“振り替えて”老後資金に回す仕組み

選択制確定拠出年金は、法律上に明確な制度として定義されているわけではありません。ただし、労働条件の同意変更や企業型DCの規約設計を組み合わせることで、多くの企業が合法的に導入している仕組みです。

仕組みはとてもシンプルで

例:月給30万円の社員が、給与を25万円にし、差額の5万円をDC掛金に振り替える

というもの。つまり、従業員が希望する金額分だけ給与を下げ、その分を確定拠出年金として拠出する方式です。給与を減らした分だけ社会保険料・所得税・住民税が下がり、手取りが増える一方で、振り替えた金額はそのまま老後資金として積み立てられるのが大きなメリットです。

結果として、「手取りが増える」「老後の資産形成も進む」という、従業員にとって“ちょっとお得”なスキームと言えます。


4.ただし、デメリットや注意点も押さえておく

メリットばかりに目が行きがちですが、企業型DCには注意しておきたいポイントもあります。

  • 標準報酬月額が下がることで、将来の公的年金額や各種給付(傷病手当金・育児休業給付 等)が減る可能性がある
  • 「選択制」の場合は、従業員の自由意思に基づく同意が不可欠(不利益変更とみなされないよう、説明と書面同意が重要)
  • 投資運用にはリスクがあり、元本保証ではない

福利厚生の一環として制度を魅力的に見せつつも、メリット・デメリットをバランスよく説明し、従業員が納得して選択できる環境を整えることが大切 です。


5.「会社として、どこまで踏み込むか」を決める視点

企業型DCを導入している企業でも、マッチング拠出や選択制まで取り入れるかどうか は企業によってさまざまです。

「掛金は会社負担のみにとどめたい」

「運用の主体は従業員に任せたい」

「選択制を導入し、社会保険料の負担も抑えたい」

どの方法が最適かは、企業の方針・経営状況・従業員の年齢層やニーズ によって変わります。


6.まとめ

バラスト社会保険労務士法人では、企業型DCの規約作成から制度導入までトータルでご相談を承っています。
マッチング拠出の設計も、選択制の活用も、法令に照らした上で適切にサポート いたします。

  • 「うちの規模でも導入できるの?」
  • 「選択制って本当に合法なの?」
  • 「手取りが増えるなら検討したい!」

こうした疑問やお悩みがあれば、ぜひお気軽に バラスト社会保険労務士法人 までご相談ください。バラスト社会保険労務士法人では、企業型DCの規約作成・制度導入のご相談をお受けしています。


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平野 麻希子

執筆

平野 麻希子

明治大学文学部卒業、関東ITソフトウェア健康保険組合にて健康保険の運営に携わる。人を雇用する事に興味を持ち、社会保険労務士となる。2011年千葉県野田市にて平野麻希子社会保険労務士事務所開業。2024年バラスト社会保険労務士法人に参画。流山事業所所長。中小企業のサポート経験を活かし、助成金や社会保険の寄り添ったサポートを得意としている。

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