
2025年4月から、雇用保険料率が改定されることがご存じでしょうか?「いつから新しい料率を適用すればいいの?」「給与計算にどう反映させればいい?」といった疑問も多く聞かれます。本記事では、2025年度(令和7年度)の雇用保険料率の変更点とその背景、適用タイミング、企業が取るべき具体的な対応策について、わかりやすく解説します。
1.雇用保険料率改定の背景とは?
雇用保険料率は、雇用保険制度の財政状況や景気・雇用情勢に応じて毎年見直しが行われます。2025年4月1日から適用される令和7年度(2025年度)の雇用保険料率は、労働者負担・事業主負担ともに引き下げとなりました。これは、コロナ禍以降の特例措置が落ち着き、雇用保険財政の改善が見られたためです。
2.令和7年度(2025年4月~2026年3月)雇用保険料率一覧
以下の表は、2025年4月1日から2026年3月31日まで適用される雇用保険料率をまとめたものです。赤字が今回変更された部分です(出典:厚生労働省公式サイト)。

3.給与計算での適用タイミングは?
雇用保険料の適用タイミングは、「賃金の締日」が基準です。2025年4月に初めて締日を迎える給与から新しい料率を適用します。
給与の適用例
締日 | 支払日 | 給与計算期間 | 適用タイミング |
4月30日 | 5月25日 | 4月1日~4月30日 | 5月25日に支払われる給与から新保険料率を適用 |
4月15日 | 4月30日 | 3月16日~4月15日 | 4月30日に支払われる給与から新保険料率を適用 |
※給与支払日ではなく、「締日」が4月以降であることがポイントです。
4.賞与に適用されるタイミングは?
賞与にかかる雇用保険料率は、「賞与の支給日」ではなく「賞与の支給が確定した日(確定日)」によって決まります。この「確定日」は、会社がいつの時点で賞与の支給対象者を決定するか等によって変わるため、就業規則や社内ルールの確認が重要です。たとえば、以下のようなケースがあります。
賞与の適用例
賞与の支給条件 | 計算期間 | 支払日 | 支給が確定する日 | 適用される保険料率 |
3月31日に在籍している社員に支給する | 10月1日~3月31日 | 4月10日 | 3月31日 | 旧保険料率が適用される |
支給日(4月10日)に在籍している社員に支給する | 10月1日~3月31日 | 4月10日 | 4月10日 | 新保険料率が適用される |
5.企業が取るべき対応策
✅ 給与計算システムの設定変更
新しい保険料率が適用されるよう、給与計算ソフトやExcel等の計算式を事前に更新しておきましょう。
✅ 人件費の見直し
保険料率の変動により、企業側の負担も変わるため、年間の人件費予算を見直すことをおすすめします。
✅ 従業員への情報共有
変更内容について、社内通知や掲示などで周知すると、従業員の理解と安心感につながります。
6.まとめ
2025年4月1日からの雇用保険料率改定は、給与計算や人件費に影響を与えるため、人事担当者・経営者は早期の対応が求められます。「いつから変わる?」「どう反映する?」といった基本的な疑問をクリアにし、制度変更に正しく対応できる体制づくりを進めましょう。
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