230.社労士試験について

230.社労士試験について -人事・労務の豆知識 Podcast

今週末、社労士試験ですね。今回は社労士試験についてお話いたしました。

※社会保険労務士試験についてはその年によって内容が変更される可能性もございますので、詳しくは「社会保険労務士試験オフィシャルサイト」にて受験される年の最新情報をご確認ください。

社会保険労務士試験について

今週末に迫った社会保険労務士試験(以下、社労士試験)のお話をしたいと思います。
このPodcastを聴いて「社会保険労務士(以下、社労士)に興味を持ちました」とコメントしてくださる方もいらっしゃいます。
ありがとうございます、なんだか嬉しいですね。
社労士試験とはどのような試験なのかな?とご興味がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今週末に受験される方には、ぜひ頑張っていただきたいと思います。

社労士になるには?

社労士は士業の一種で、「社会保険」と「労務」の専門家になります。
まず社労士になるためには、主に法律の内容となる社労士試験の合格に加えて、下記のいずれかの経験か講習の修了をしている必要がありますね。

・2年以上の労働社会保険諸法令に関する実務経験・厚生労働大臣がこれと同等以上の経験を有すると認めるもの(※事務指定講習修了)

※実務経験が2年に満たない場合には、社労士連合会が実施する事務指定講習の修了により、「厚生労働大臣がこれと同等以上の経験を有すると認めるもの」とされます。

これらの要件を満たした上で、社労士登録の申請を行うと社労士連合会の名簿に登録されて、社労士となることができます。

社労士登録の種類

現在私は社労士として事務所を開業をしており、これは社労士登録の種類としては「開業登録」に分類されます。
そして法人社員であれば「法人社員登録」社労士事務所などや会社内で社労士業務を行う「勤務登録」、社労士としての業務はできないけれども社労士会の研修参加などができる「その他登録」があります。
「勤務登録」と「その他登録」をあわせて「勤務等」という種別で呼ばれることもあります。

社労士試験の難易度

社労士になることについて、一番の関門は社労士試験です。
私が受験した時のイメージは、サラリーマンが働きながら勉強をして受かるギリギリの一番難しい資格というようなことで、本当にその通りだと思います。
ただ私の周りには、合格後に社労士のお仕事をしようと思って受験勉強をされる方だと「仕事は正社員ではなく非正規でアルバイトだけしていました」とか「無職で一年間学校に通いました」など、1年間詰め込んで勉強をして受かった方が多いかなという感じがします。
働きながらでも受かるらしいけれども、結構大変ですよということは強く言いたいなと思いますね。
ちなみに私は1年間仕事をせずに勉強して受かりました。
そのためよく言われる「サラリーマンが働きながら勉強できて、それでも受かる資格」の中に社労士が入っていますが、それは結構レベルが高いことです。
やってみることはすごくよいことだと思いますけれども、お仕事をしながら勉強時間をしっかりと確保できる体制じゃないとかなり辛いというレベルの試験です。

そしてこの社労士試験で何が大変なのかというと、試験科目に選択式8科目と択一式7科目がありますが、それぞれ総得点と科目ごとの合格基準点に達しなければならないということですね。
一つひとつの科目だけを見ればそんなに大変ではないともいわれますが、1年に1回の試験で複数の科目を満遍なく勉強してある程度の点数を取らなければいけないというのが、この試験をかなり難しくしているポイントなのではないでしょうか。
そのため運悪く1科目以外のすべてが合格基準点に達していたのにもかかわらず不合格になることがある、運の要素も強い試験なのかなとは思います。

社労士試験の受験資格

社労士試験には下記3つの受験資格があり、この中のいずれか1つを満たしている必要があります。

①学歴
②実務経験
③厚生労働大臣の認めた国家試験合格

そして「申込み時には、受験資格を有することを明らかにすることができる書面『受験資格証明書』を提出しなければなりません。」と社労士試験のオフィシャルサイトに案内があります。

この中では①の学歴で受験資格を満たす方が一番多いと思います。
大学生でも一定の単位を取得していれば卒業前に受験できますので、大学在学中に試験を受けて合格して就職活動をされるすごい方もまれにいらっしゃいます。
あとその他にも様々ありますが、高等専門学校(5年制)を卒業した方や専門職大学の前期課程を修了した方なども受験資格があるとのことです。

次に②実務経験による受験資格があります。
一部をご紹介すると、全国健康保険協会や日本年金機構の役員(非常勤の者を除く)又は従業者として社会保険諸法令の実施事務に従事した期間が通算して3年以上になる者(社会保険庁の職員として行政事務に従事した期間を含む)ということになります。
その他にも認められる実務経験は様々ありますが、社労士の補助の事務に従事した方などもよいとのことです。
例えば、学校卒業後に社労士事務所へ入社して3年経てば受験資格を得られるということになりますよね。
このように社労士事務所に勤務してから3年経って受験資格を得て試験に合格すれば、実務経験2年も満たしているため、すぐ社労士登録ができるようになるのかなと思いました。

あとは、③厚生労働大臣の認めた国家試験合格による受験資格についてですね。

・社労士試験以外の国家試験の合格
・司法試験予備試験等の合格
・行政書士試験の合格


1番上の「社労士試験以外の国家試験の合格」については、かなり多くの資格があります。
これらが試験合格による受験資格になっているそうです。

受験資格については多岐に渡りますので、詳しくは社労士試験のオフィシャルサイト 受験資格について (HPリンク) をご確認ください。

社労士試験の概要

社労士試験について、どのような試験を受けなければならないのか?ということをお話しします。

試験科目について

試験科目は次の通りになります。

・労働基準法及び労働安全衛生法
・労働者災害補償保険法 (労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む。)
・雇用保険法 (労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む。)
・労務管理その他の労働に関する一般常識
・社会保険に関する一般常識
・健康保険法
・厚生年金保険法
・国民年金法

社労士試験はこれらの法律を勉強して受験するということになりますが、真ん中にある一般常識の2科目は一般常識とはいえないような難しさです。
そして一般常識の2科目は、後にご説明する「選択式」では1科目ずつ独立して出題されますが、「択一式」では1科目として半分ずつ出題されます。
各科目の「〇〇法」という名の通り、法律が社労士試験の主な内容となっております。

出題形式について

社労士試験の出題形式「選択式」「択一式」2つがあります。

選択式とは?

文章内に空欄があり、選択肢の中からその空欄を埋めていくものになります。
第54回選択式試験問題 (社労士試験オフィシャルサイトHP)

選択式は択一式と比べると試験時間は1時間20分と短く問題数も少ないけれども、読んだことのない文章にあたることもあり、どこの部分が出てくるのかは運の要素もあります。

択一式とは?

各法律の記述について、正しいものや誤っているものを選択肢の中から解答していくものになります。
第54回択一式試験問題 (社労士試験オフィシャルサイトHP)

択一式はすごい量の問題について〇×をつけていくイメージですが、例えば〇はひとつしかない問題のはずなのに、ふたつあるような気がして悩みながら答えていくような感じになるかと思います。
試験時間も3時間半とかなりの長丁場になりますが、こちらは勉強すればするほど点数は取れるはずの試験ですね。

合格基準点について

そして「選択式」と「択一式」はそれぞれ総得点各科目ごと合格基準点があります。

『社会保険労務士試験の合格基準の考え方について』より一部引用-厚生労働省HP

社労士試験の勉強と受験について思うこと

ここまで社労士試験についてのお話をしてまいりましたが、絶対に試験を受けた方がよいと、どなたにも言えるものではないと私は思っています。
「よーし、やるぞ!」と思いやすい資格試験だと思いますが結構難しいので、ちょっとやってみて、面白かったら続けるぐらいの感じでもよいのではないでしょうか。
あと、社労士試験はおすすめな点がひとつあります。
勉強内容が人生の役に立つことばかりで、労働基準法なんてこの試験を受けようと思わなければ一から知るということはなかなか無いですよね。
労働者として働いているのが当たり前なのにもかかわらず、それに対する法律を全く知らないということに対して途中から怖くなっていくところもあるのではないかということと、そういったところを知るということを考えると、勉強するには価値があって内容も面白い資格だと思います。
まず入門書をパラパラと読んでみて面白いと思ったら、ぜひ勉強してみていただければという内容になります。

今週のPodcastでは
受験申込みの流れや私が受験した当時の会場についてもお話ししております。
あと社労士試験を受験して自己採点で合格しているという方がいらっしゃいましたら、ぜひご応募ください。

230.社労士試験について-人事・労務の豆知識 Podcast

今週はここまでになります。

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