221.質問箱から!

221.質問箱から!-人事・労務の豆知識 Podcast

今回は、質問箱にいただいたご質問におこたえしました!

1つ目のご質問

イチカワメグミ@恵社労士事務所ーPeing 質問箱

「有給休暇取得ルールと割増賃金について」市川が回答します!

ご質問ありがとうございます。
こちらの内容について簡単にまとめます。

①規則上の始業時刻は9時
②当日16時にオフィスへ出勤(会社さんからの指示ではなく、従業員さんの判断)
③当日16時以降の4時間は何をされていたのか不明
④当日20時~翌日4時は工事現場の管理業務
⑤翌日5時にオフィスに車を置いて帰宅

③の部分はすこし気になりますが、これらのことから当日16時~翌日5時まで職場にいらっしゃったということかなと思います。

まず①~③について、出勤時間をずらすことは会社さんが就業規則などをもって命じることができます。
こちらが会社さんからの指示ではなく、従業員さんが勝手に当日16時から出勤したというお話だとあまりよろしくないのではないかと思います。

残業代については後半でご説明しますが、仮に当日16時から勤務をスタートさせていたのだとしたら、休憩時間は除いて8時間を超えたところより時間外割増として2割5分増以上の割増賃金がつきます。
またそれに加えて、当日22時~翌日5時は深夜業割増の2割5分増以上の割増賃金があります。

有給休暇について

翌日5時に帰宅したとのことで、翌日9時に出勤があるのは辛かったのかなと思いますが、翌日は始業時刻である9時には出勤できずに11時に出勤したということですよね。
そのため会社さんから、翌日9時~11時について有給休暇を申請するよう言われたというお話でした。
ご質問が「有給休暇を取得しなければいけないのでしょうか?」ということなのですが、有給休暇はあくまでも従業員さんご本人の申請によって行われるものです。
会社さんが申請するように言ったとしても、ご本人が嫌ですと言ったら有給休暇を取得する必要や義務はないですね。

会社さんから「この日に有給休暇を取得してください」ということができる、計画付与という制度はあります。
この計画付与の制度は1日単位や半日単位(労働者の意見→希望)で有給休暇を取得させることはできますが、時間単位ではできないことになっております。
時間単位の有給休暇はご本人の意思で申請しなければ取得できないということになっていますね。

そのためこの場合ですと、本来は9時から出勤しなければならないところ、11時に出勤されたとのことですので遅刻となります。
普通に考えれば、2時間分の給与を引くということです。
労働契約というものは所定労働時間に働くという契約になります。
ご質問内容にある会社さんは変形労働時間制ですが、始業時間は9時ということで通年変わらないようです。
始業時間の変更が会社さんからの指示によるものではなく、従業員さんが勝手に11時に出勤してよいと思っているのだとしたら、そういったことをしてはならないとお伝えしなければいけないところですよね。
この場合に会社さんは「11時に出勤するということは遅刻になるため、この2時間分は有給休暇の申請をすればその処理をしてもよい」ということを従業員さんへお伝えしたのかなとは思います。
204.質問箱からの労務相談! 2-2年次有給休暇について に類似のご質問を掲載しております。

割増賃金(残業代等)について

時間外労働(残業)と休日労働の割増賃金については、割増率や1日の時間の考え方が変わってきます。

しっかりマスター労働基準法―割増賃金編―より引用 ―厚生労働省HP

ご質問の例だと当日16時~翌日5時の時間外労働(残業)は1日分と考え、翌日9時の所定労働時間に入ったところで時間外労働がリセットされます。

しっかりマスター労働基準法―割増賃金編―より引用 ―厚生労働省HP

週1日以上の法定の休日労働については、暦日単位である0時~24時を1日分と考えます。
そのため少しややこしいのですが、時間外労働だと割増賃金が暦日を超えて割増率がつながっていたとしても、休日労働になると暦日を境に割増率がつながらないこともあります。

社労士へのご相談について

ご質問の余談にある今の社労士事務所さんについて、ご質問を電話ではなくメッセージアプリでやり取りするということですね。
こちらは間違えたことを言ってはいけないので文章でご質問してほしいというのもわかります。
あと社労士事務所内でナレッジ=知識や情報をためていきたいというのもあって、最近はメッセージアプリなどでやり取りをすることにしている社労士事務所さんが増えているかなと思います。
ただ、電話でなければわからないこともいっぱいあります。
こちらのご質問も前提のところを拝見すると、おそらく事例とご質問のところ以外に何か問題があるのではないかとちょっと思いました。
なかなか大変だと思いますけれども、アポイントを取って1~2時間くらいご相談させてもらった方がよいのではないかなと思ったりいたしました。
こちらでも詳しくお話ししております→212.業界特化?相談の対応?社労士の探し方 3-1社労士事務所のご質問対応について

2つ目のご質問

イチカワメグミ@恵社労士事務所ーPeing 質問箱

「社労士試験のおすすめの勉強方法」を市川が回答します!

ご質問ありがとうございます。
社労士試験の勉強方法について、試験は意外と難しくて大変ですよね。
私は本がお勧めですね、とにかく参考書がいっぱい売っています。
本屋さんに行って、参考書の入門編というのが各シリーズごとに出ていると思います。
まず入門編を全部ちょっと立ち読みして、自分に一番合った表現で書かれているものを一冊買って帰り、読んでみていただきたいです。
読んでみて内容が面白ければ社労士試験の勉強をした方がよいと思います。
私は初めて見た時に労務と給与計算の内容が、めちゃくちゃ面白くてはまって勉強していました。
実際に社労士の仕事をするようになってから思ったのは、この仕事は文章を読んだり作ったりするということがすごく多いです。
本を読みそこに書いてある内容を理解し、試験に受かることは社労士業務の練習にもなると思います。
社労士試験を突破しようと思うのであれば、労務の勉強をするというよりは、社労士試験の勉強をすると思わなければいけなくて。
社労士試験の勉強と労務の勉強というのは、私はちょっと違うのではないかなと思ったりします。
それなので一回入門編の本を読んでみて面白かったら、参考書と過去問を買ってくる。
参考書を読んで過去問を解いて、わからないところを参考書に戻って調べて・・・というのを何回も何回も繰り返すというのが私のおすすめの勉強方法です。
勉強方法は人によって向き不向きがありますよね。
私は本のほうがよいですし、人から話を聞いたりするセミナーや塾とかより、自分で本を読みテストを受けることを繰り返す方が頭に入ってきます。
ご自分はどういう勉強方法だと覚えられるのか?向いているのか?ということを自覚するということもひとつ重要なのかな、というところです。
ぜひ頑張っていただきたいと思います。

3つ目のご質問

イチカワメグミ@恵社労士事務所ーPeing 質問箱

社労士業務の習得と資格の名刺記載について」市川が回答します!

ご質問ありがとうございます。
そうですね、いろいろと難しいお話ですけれども、社労士試験に受かっただけだと社労士登録はできないですね。
社労士登録をするには試験合格にプラスして、下記のうちいすれかの要件を満たさなければなりません。

・2年以上の実務経験
・事務指定講習の修了

私は事務指定講習受けました、こちらの講習は受けた方がよいですよ。
講習で一通り全部、書類の書き方を勉強します。
ただ一通り全部、書類の書き方を勉強して社労士会に入会した時点で全員が「全業務ができる状態」といえるのかな?とは思います。
中学校の英語を習った時点で全員が「外国の方とコミュニケーションをとれるぐらい英語が喋れている状態」といえるのかな?ということと同じです。
事務指定講習は中学校の英語と同じように、勉強する機会はあります。
その勉強で社労士の全業務ができる=英語でコミュニケーションできるレベルの方もいらっしゃるでしょうし、とりあえず講習の課題だけ取り組んだ方もいらっしゃいますので、自分自身で頑張るというところです。

あと社労士合格しても登録・入会しないと名刺に社労士の資格について書けないのか、というお話ですが社労士登録をしないと「社労士」とは名乗れないですね。
社労士試験に合格した時点で「社労士試験合格」と名刺に載せている方はいらっしゃいます。
社労士事務所にお勤めだったりすると、代表社労士の名前で全部手続きもできてしまいますので、登録・入会しない「社労士試験合格」とかの状態の方も結構いるのではないかなと思います。

社労士の業務はとにかく初めてのことが多い仕事です。
全部の業務ができるようになったと思っても、どんどん違う仕事が出てきます。
助成金申請は事務指定講習ではやらないですし、助成金は毎年変わりますね。
雇用調整助成金はもうコロコロと申請用紙やルールが変わったりして、本当に大変でした。
少しでも早く助成金を受け取れるように、労働局の方が読みやすい書類を作ってあげたいと思うじゃないですか。
すごい量の提出書類を順番通りに並べようとか、そういうところも工夫したり。
本当に少しでも早くなったのかはわからないですが、ほとんどの労働局からご質問もなく受給できたりしました。
このように今日から新しい助成金がスタートした、となると誰も経験したことがない仕事になります。
誰もが経験のない仕事なので、まずどうしたらできるのかというところを考えなければいけません。
新しい仕事が出てきた時に、何日までにどういった書類を揃えなければいけないのかということを逆算して作成・提出することができるようになれば、どんな仕事でもできるようになります。

3年くらい経験すれば、だいたいの業務はできるようになるのではないでしょうか。
社労士は楽しい仕事なので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。

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今週はここまでになります。

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