はじめての採用業務

起業して、初めて人を雇おうとなったとき、代表者はやったことがなくても「採用業務」をやらなければなりません。

ちなみに、私は採用業務を実際にやっていましたが、採用担当として採用を行うのと、経営者として採用を行うときにも、主に気持ちの部分ですが、大きな差があることを実感いたしました。

起業して人を雇うとなったときに、この記事が参考になればうれしいです。目次

採用業務の流れ

採用業務は、

募集→応募を受ける→選考→内定・契約

となります。

まずは募集し、就職活動をしている人に募集を知ってもらいます。

そして応募してもらい、選考します。

お互い、働きたい・働いてもらいたいとなれば、雇用契約をします。

ひとつづつ見ていきましょう。

募集

募集を行うとき、思いつくものは何ですか?ハローワーク、リクナビやマイナビなどの媒体、人材紹介でしょうか。

最近では、Twitterや自社HPでの直接応募を受けるのも流行っているようですね。

こういった募集を行えば、すぐに応募が来ると・・・・・思っていませんか??

そんなことはないです!!!!!!!!

たとえばすでに有名人であり、弟子入り志願をされるような人であれば別ですが、就職活動中の方にとっては、数ある会社のうちの一つです。また、開業したばかりの時は、お金をかけて大々的に広告が打てる状況ではないことが多いですので、なかなか目に留まりません。

本当に、応募、来ないから!!!!!!(実体験)

そこで、広告の戦略が必要になってきます。

それをお仕事にしている会社も多いですし、営業もたくさん来ると思いますが、まずは自分でやってみましょう。

ここで、心構えをひとつ。採用は、営業です。

営業で、自社商品をアピールするとき、どのようなアプローチをしていますか?

商品の魅力を、伝えたい人に伝わるように。

商品の魅力を分析して、これを使うとアナタの人生がどうよくなるのか、考えます。

そして、ターゲットになる伝えたい人については、ペルソナを作りその人に伝わるやり方を考えます。

採用でも同じです。自社に勤めることであなたの人生がこんな感じで良くなりますよ!と、アピールできる点を探します(ない場合は作ります)。

また、どんな人が欲しいのかを徹底的に考え抜き、その人にアプローチするつもりで広告を考えます。

会社を気になっている人(営業で言う見込み客)を増やすことを、採用では「母集団形成」という言い方をします。

広告の内容が決まったら、掲載するところも考えましょう。ハローワークは無料なので必ず活用しましょう。そのほかは、予算と相談しつつ、自社の属する業界が得意とする媒体が良いと思います。

誰もが知るナビは、掲載料金が高額です。もし予算に余裕があるなら検討できますが、起業したてで売り上げが安定していない状況では、なかなか難しいのではないか、と、思います。

紹介会社や、紹介予定派遣などを使う方法もあります。事務のほとんどもやってもらえますので、予算が取れるならば使いたいところです。

また、最近はTwitterなどのSNSで情報発信している方も多いと思います。こちらで応募を呼び掛けてもよいですね。

ちなみに、起業したばかりで初めて採用するとき、多いのは「知人の紹介」からの応募だと思います。

自社で募集をしていると、周りに伝えておくのが一番効果があるでしょう。

なお、募集に当たっては、公平な採用活動をしなければならないため、年齢や性別、国籍、思想信条などで、差別してはいけません。

募集記事や募集広告も、特定の方を排除するような書き方はしてはいけません。まれにsnsなどで「30歳以下の男性の方」などの表記を見かけますが、しっかりしている方からはモラルがないととられてしまい、印象が悪くなってしまいます。

ちなみに、年齢については、未経験可の正規社員での募集の場合は応募年齢の上限が設定できたり、定年が決まっていれば、定年以上の方は応募できないとするという特例もあります。

応募を受ける

応募が来た時に、どのように応募を受けるかは、決めておく必要があります。問い合わせが来てから慌てては、応募者に不審に思われてしまいます。

インターネットのナビを利用するのであれば、選考管理機能が備わっていますのでそちらを使うと良いでしょう。

しかし、いくつもの募集媒体を使う場合は、自社で選考管理を行う必要があります。

私が作っている選考管理の表はこんな感じです。

※図の個人情報はダミーです。こちらで作成しました→https://hogehoge.tk/personal/

並べ方などは自由ですが、スケジュールの管理・連絡の管理は行えるように作成しましょう。

(ちなみにこの図から読み取れることは、開始早々すごくいい人が来てこの人で決まり☆と思っていたら内定辞退されて、辞退のタイミングで応募があったいい感じの人を囲い込んだ・・・というドラマですね・・・。)

忘れがちなのがお断り連絡です。しばらくして問い合わせがある場合もあります。かならず、いつしたかを管理しましょう。

ちなみに履歴書については、紙で受け取っている場合は郵送で返却、データの場合は破棄し、その旨をお断り連絡に記載するという取り扱いが良いと思います。

選考する

応募があった場合、自社に入ってもらいたい人物かを選考することになります。

ここで気を付けてほしいことは、

応募者もまた、会社を選考している

ということです。

初めて選考側に回ったときに陥りがちですが、こちらが選ぶだけではないのです。

絶対に、圧迫面接・不要な試し行動・説教はやめましょう。

なお、面接中に説教したくなるような応募者は、会社側からすると「ここさえよくなればすごくいいのに…」という惜しい人ですが、説教されて良い気分になる方はあまりいませんので、絶対やめた方がいいです。

大きな会社では、募集すると何人も応募がありますが、小さな会社では、選ぶほど応募がない場合も多いです。

(私が開業した後初めて募集した時、応募は2名でした。)

ですので、何をもって合格とするか決めておく必要があります。

人柄か、経験か。会社の方針に従順な人がいいのか、自分の意見をどんどん出す人がいいのか・・・など。最低クリアしていてほしい基準は、最初に明確にしておく方が良いと思います。

また、ここで採用した人については事業主の責任を負いますし、給与や社会保険料として大きな人件費がかかります。

起業し、自分で売り上げを作っていると、どうしても「給与分は売り上げを上げてもらわねば」と思ってしまうのですが、雇用契約は時間での契約です。売り上げが上がらなくても、簡単に解雇することはできません。

ですので、ぜひ、「雇ってやる」ではなく「助けてくれる」と思えるような人を、雇用してください。

また、不採用にした方も、今後自社のお客様や取引先になる可能性もゼロではありません。

必ず、礼儀をもって、対応しましょう。

おわりに

いかがでしたでしょうか。採用についてはついつい力と気持ちが入ってしまいます。

というのも、私、恵社労士事務所の市川は社労士になる前は採用担当をしていました。

それなのに、自社の採用には毎回苦戦します・・・・

採用は大変ですが、仲間と出会えるチャンスですので、楽しい業務でもあります。

せっかく採用した人に、長く働いてもらう・会社を好きになってもらうことを、次は考えていきたいと思います。

雇用契約について解説します。

雇用契約書(労働条件通知書)の作り方

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